放送大学の島内裕子教授の「徒然草の現代性・時代を超えて生きる古典の魅力」の特別講演会を拝聴した。都立の入試高校の問題や新聞のコラムなどにも、徒然草は取り上げられ時事や社会問題を考察するのにも使われる。
放送大学の島内裕子教授は、立派な研究者で、10代後半で徒然草の魅力に気が付き、それから40年、その研究を一筋に続けてこられた方だ。新聞のコラムニストも、もちろんそれなりに見識のある方だろう。でもね、ネットとかその住民を徒然草にネタに語るなどは、そりゃあできないだろうw
今回、せっかく講演もうかがっ...
続きを読む≫ 2012/06/29 16:07:45 メイン
徒然なるままに、日暮らし、硯に向かひて、心にうつりゆく由無し事を、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ

さて、あまりに有名な、おそらく多くの人が学校の授業で目にしているであろう徒然草の序段だ。
島内裕子教授(ちくま学芸文庫2010年)を参照しながら考えてみるw

「さしあたってしなければならないこともないというツレヅレの状態がこのところずっと続いている」

これって・・・ニートや自宅警備員や定年退職後の親父じゃないかw
徒然草の卜部兼好、兼好法師は、20代には後二条天皇の蔵人と...
続きを読む≫ 2012/06/29 16:08:50 メイン
「いでや、この世に生まれては、願わしかるべきこそ多かめれ」
兼好法師は20代で出家して、徒然草は50歳ころに書かれたのだろうというのが、現代の研究の成果とのことだ。出家した坊さんが、第1段で、「願わしかるべきこそ多かめれ」である。なかなか素敵な坊主なのだ。禅宗のエライ坊さんが、臨終に際して、「死ぬのが怖い、死ぬのが怖い」と言い続け、弟子が「師匠、あんまりにも見苦し過ぎます」と諌めたのに対して、「何をいうか、そんな生易しいモンジャないんだぞ」と言い放ったという話を思い出す。
出家して何十年。「心に...
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この徒然草第四十一段は、徒然草の中でも、重要な段である・・と、島内裕子教授は講演でお話しになられた。これまで徒然草の文章の展開は、いわば引きこもりである。自分の家にいて思索を書き連ねていたのだが、会や世間に、兼好法師が接触したことが語られた重要な段なのだ・・と。。
おぉお。そう言われるとw なるほどである。
イベントで馬の見物に行くと人が一杯で、よく見えない。木の上のみるとそこに登って見物している人がいるのだが、それが居眠りをしている。他の見物客が、「危ないね、ありゃあバカだよね」という。たぶん...
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世に語り伝ふること、真はあいなきにや、多くはみな、空事なり。

これには、いろんな意味や背景を考えてしまう。まあ、さらっと読み流すこともできるような一節ではあるけれども。
卜部兼好が宮廷人で、天皇のそば近く仕え、権力闘争もあっただろうなぁ。人の言葉とか、信じられないようなこともあったんだろうなぁ。ただの生まれながらというか、幼いころから仏道で修業を続けた人ではなくて、宮仕えをしていた人の言葉だからこそ、また迫ってくるものが違うと思う。
しかしなあ、これを多くの人が体感すると、詐欺とかがなくなるん...
続きを読む≫ 2012/06/29 16:14:32 メイン
能などの芸事を志す人へ上達の方法について書かれた150段、そして一転して151段では、50歳になってモノになってなきゃやめてしまえと語るw強烈なコントラスだ。
人前で芸を見せるには、もう少し上手くなってからと思いがちだが、上手な人に交じって笑われ恥をかいてもそこで踏みとどまれば、才能がそんなになくても、上手になっていく。名人だって若いころは未熟だったし、欠点だってあったのだが、真面目に修行をして立派になったんだ。これは何でも一緒だよ、という150段。そして、老人になれば周りの人は笑うこともできな...
続きを読む≫ 2012/06/29 16:14:10 メイン
Sakuyuさんから、コラム「徒然草を考えてみる」についての感想、意見、体験などをいただきましたの掲載します。(2014/5/29)

徒然草は、中学校の国語の授業でやりましたよね。懐かしいです。あの有名な序段の書き出しは、きっと忘れないと思います。懐かしいけれども、授業で具体的に何を習ったかはっきりとは覚えていないのは、時間の経過のせいにしておきたいと思います。兼好法師やニートなどは、通り一遍では理解できないという点では、ある意味、似ているのかもしれないですね。徒然草の序段の続きは何だったのか...
コラム「徒然草を考えてみる」について、鈴希沙さんから意見、感想、経験談を寄せていただきました。(2015/2/24)

徒然草は学校の教科書に載っていて、わたしも授業がありました。ただその頃のわたしには、序章を暗記させられた記憶はありますが、内容はまったく記憶にありません。(お恥ずかしいことですが)改めてこのように徒然草の一文を拝読しますと、取り上げられている内容は、決して昔だけのお話ではなく、今にも重ねることができる内容であることを知りました。むかし起こった時事や社会問題が本当にいまでも重ねる...
コラム「徒然草を考えてみる」について、Ryo Angelさんから意見、感想、経験談を寄せていただきました。(2015/4/10)

学生の時に習ったのかもしれませんが全然覚えていません。昔のこういう物を先生などにきいていつも思うのですが本当の所は今聞いている解説であっているのかな?ってよく思ってしまいます。本人が「こういう意味だ!!」と断言していてくれれば別ですが何年か経って別の人間が解釈すると少し表現が変わるのではないかなんて考えてしまう事があります。まあ多分そんな事はないと思いますが本当はも...
「徒然草を考えてみる」についてのMikiAkamiさんのコメント
徒然草は学生時代国語でやりました。けれども、徒然草から何を学んだのか、良く覚えていません。ヨイトマケとありましたけれども、近年の人も知っているのではありませんか。ヨイトマケの唄が話題になったことがありましたよね。美輪明宏さんがTVで歌っていたのをみました。米良美一さんの歌っている姿も見ました、その当時の話しをしながら。今も昔も貧富の差は変わらずあるし、ただ今の人は声を上げないだけで、心の中ではヨイトマケなんでしょう。


徒然草 ...